「あっせん開始通知書」という書類が紛争調整委員会から送られてきた… どうすればよいのか?   

ここでは「あっせん」制度の内容、対応方法、当所で解決まで支援している事をお伝えします。


<1> ある日、届いた1通の封書。中には「あっせん開始通知書」が同封されています。

ある日、「○○紛争調整員会」という所から封筒が届くことから「あっせん」は始まります。
(○○紛争調整員会の○○には東京、神奈川などの都道府県名が入ります。)

開封すると「あっせん開始通知書」という書類が入っており、「事件番号」「あっせん委員」など見慣れない用語が書かれています。


 そして、同封されている「あっせん申請書」には退職した元従業員が、
「会社を辞めたのはパワハラがあったからだ。慰謝料○○○万円を支払え」とか、
「過去3年間にわたり、残業や休日出勤の割増賃金を支払ってもらっていない。支払って欲しい」などと請求内容を書いています。

 また「連絡票」も入っており「本件あっせんに □参加します ・ □参加しません 」と紛争調整委員会への返答を求めてきています。
一体、どのように対応すればよいのでしょうか?

<2>まず、「 □参加します 」として回答する事をお奨めします。

「あっせん申請書」には元従業員の主張が書かれています。時に強い調子で書かれていたり、高額な金額を要求してくる事などがあります。

 多くの会社では初めて体験することでしょうから、困惑することも多々あると思います。
また、知り合いの会社に聞いても、経験のあるところは決して多くないのではないかと思います。

 会社によっては「悪いのは向こう(元従業員)だ。こんなのは無視しておけ」と判断するケースもありますが、この対応は避けた方がよいです。「あっせん」には参加することをお奨めします。


<3> あっせんに「参加しません」とした場合・・・参加をお奨めする理由

先に記したように「悪いのは向こうだ!」という感情から、あっせんに不参加を選んだ場合でも、元従業員の不満は残っています。従って、異なる方法で会社に要求してきます。具体的には労働組合か弁護士へ依頼する可能性が高いです。
 元従業員が労働組合に依頼した場合は、団体交渉に応じる必要があります。弁護士に依頼した場合は労働審判又は訴訟に応じることになります。
どちらも解決までに、時間・費用・心理的な負担 が発生します。和解金なども相応の金額になります。

一方、「あっせん」の場合は、基本的に労働局において半日(2~3時間程度)で解決が図れます。但し、金銭的な決着となるので、会社として「悪いのは向こうだ」と考えていても、一定のお金は支払う必要が生じます。

 当所としては、時間・費用・心理的な負担が、最も小さい「あっせん」での解決をお奨めします。



<4> 「あっせん」までに行うこと

 紛争調整委員会に「あっせん」に参加する事を伝えるとあっせん日を決めることになります。双方の都合が良い日となりますが、1ヶ月程度は余裕がある日程になると思います。

 あっせん当日に初めて会社の主張をしても良いのですが、会社側の主張を整理して事前に伝えるために、意見書などを作成して送ると良いでしょう。

 元従業員の要求に対して会社として反論する内容となります。必要に応じて、元従業員の在職中の行動などについて同僚にヒアリングすることも有効でしょう。


<5> いよいよ あっせん当日です。

東京では、九段下にある東京労働局内に東京紛争調整員会があります。会社と元従業員が同時に同じ場所にいる事になりますが、控室が別々となっているので顔を合わせることはありません。

あっせん委員のいる部屋に、別々に呼ばれてそれぞれの主張をします。これを2~3回程度、繰り返します。
そして、最終的にはあっせん委員があっせん案を提示します。多くの場合は会社がいくらかのお金を支払う、という内容を提示されます。これを受ければあっせんは終わりです。
 
 ここまで1ヶ月程度の準備期間がありましたが、「あっせん」そのものは数時間で終わります。また、準備期間における実際の作業時間も数時間です。最も時間を要するのは、あっせんを受けることを紛争調整委員会に伝えてから、あっせん当日までの待ち時間(日数)です。



<6> 大切なのは、今後の予防策です。より良い就業環境を目指しましょう。

 あっせんが無事に終わっても、会社としては今後に同様の事を繰り返さない事が大切です。ご本人に問題がある場合でも、会社に全く問題がない訳ではありません。これを機会に会社の働く環境を見直して、従業員が自らの力を発揮できて、そして皆で力を合わせられる、健全な就業環境の実現を目指すことをお奨めします。
 



労使トラブルの解決手段、「あっせん」「労働審判」「民事裁判」を比較してみます。

 従業員とのトラブルを解決する、というと「裁判」を想像される方が多いと思います。
 しかし、労使トラブルの解決方法はその他にも、この「あっせん」の他、「労働審判」も含めて3種類あります。

 それぞれの比較は下表をご覧ください。「あっせん」のメリットとしては解決金額が高額にならない他、弁護士への委託比率も労働審判、民事裁判に比較して
 1/10以下となっています。つまり、弁護士への委託費用がかからない、という事です。一方「あっせん」を社会保険労務士に委託しても下記の通り、費用は決して高額ではありません。また、解決までの月数は2ヶ月以内となっていますが、あっせん当日は数時間で終わります。

 つまり、「あっせん」は時間的にも費用的にも、負担が小さい解決制度です。

 (労働者側から見ると、解決額は決して大きくはありませんが、自分で申請できるので費用は無料ですし、時間も短くて済みますのでメリットがあります。)


解決手段解決額の中央値月給換算月数解決までの月数弁護士への委託比率
あっせん20万円1.4ヶ月

2ヶ月以内

(あっせんは数時間)

8.3%
労働審判120万円4.8ヶ月

6ヶ月以内


97.4%
民事裁判200万円6.7ヶ月

6ヶ月以上


99.4%


当所では「あっせん」に対応しています。お気軽にご連絡ください。

 当所代表の田中は「特定社会保険労務士」ですので、補佐人または代理人として、あっせんに同席(または代理参加)することができます。
開業以来、25年の間に多くの労使トラブルの予防、解決をしてまいりましたので、ご安心してお任せください。
 
(あっせんの代理人となれるのは、特定社会保険労務士です。社会保険労務士が一定の研修を受けて、試験に合格して「特定社会保険労務士」として登録できます。)



意見書の作成、あっせん当日の同席、今後の対策 までお任せください。(費用)

 おおまかな進め方は次の通りです。
 
 状況についてヒアリング → 意見書を作成 → 意見書の修正、完成 → あっせん当日の同席 → 就業環境の見直しや規程類の整備

 (会社に2~3回程度の訪問 及び あっせん同席)   110,000円 ~ (消費税込) となります。 

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