製造業全般

 日本の国力の源泉である「ものつくり」。各メーカーの不断の技術力向上への努力が日本の産業を支えています。
機械・電子部品メーカー出身の社会保険労務士として、製造業のお手伝いをさせて頂いております。
特に「製品をつくるための製品をつくる」会社への思い入れは人一倍です。

社会保険の適用拡大、無期転換制度を踏まえたパート従業員の労務管理

製造現場では、パートタイマーやアルバイトなどの短時間労働者が働いていることも多いと思います。
そして現在、日本の労働行政は、これらの短時間労働者の権利を保護する方向で運営されています。

 そのため、社会保険の加入条件を週20時間以上として適用対象を広げたり、有期雇用契約が5年を超えると労働者の希望だけで無期雇用に転換できる無期転換権など、短時間労働者を雇用する会社では人材に関する負担が年々、重くなっています。

 このような状況下では、パートタイマーと正社員の中間となる雇用形態(準社員など)を新たに設定したり、同じパートタイマーでも社会保険加入の可否、就業時間の柔軟性や責任の程度などで複数の働き方コースを用意するなどの対策が必要です。

 解決方法は会社ごとに異なるでしょう。人材の確保が難しいという逆風も吹吹く中、最適(あるいはベストではないがベター)な解決策が求められます。

製造業全般

同一労働同一賃金に対応すべく、雇用形態ごとの仕事、給与体系、人事制度の見直し

 「働き方改革」の関連法案が2018年6月に成立して、2019年4月から施行されます。パートタイマー・アルバイトを多く雇用する会社においては、「同一労働同一賃金」への対応をしっかりと行う必要があります。

 施行は2020年4月からと1年遅れてのスタートではありますが、対応するには会社の雇用そのものを見直す必要があるほどです。2020年4月までには、「同一労働同一賃金ガイドライン(案)や」2018年7月に出された注目すべき2つの最高裁判例も踏まえ、的確な準備が求められます。まずは、現状の全ての作業を洗い出し、職位等級ごとにどの業務を担当しているかのマップを作ることが必要でしょう。
 
 その過程で、同じ等級でも人によって担当業務にアンバランスが見られるなど、会社が想定していた理論上のマップとは異なる結果になるかも知れません。これを機会に、製造現場における作業と担当者の関係をしっかりと整理することをお奨めします。その上で2019年中には新しいマップを作る必要がありますから時間は迫っています。


労働安全衛生法の改正に伴う、健康管理・産業医との連携強化・衛生委員会の活性化

 こちらも「働き方改革」により対応が必要となります。2019年4月からは、総務部門は産業医とより連携を密にとる必要があります。また、衛生委員会の活性化も課題となってきます。従業員の心身の不調も会社経営のリスクとなる時代になりつつあります。


「働き方改革」による一連の法改正では「残業(時間外労働)時間の削減」が目立っていますが、実は「従業員の健康はじめ安全への配慮」というテーマも通奏低音のように存在しています。例えば、36協定で特別条項を盛り込む際には、会社の健康確保措置等を記載することも求められます。

 また、製造業は労災事故が多い業種でもあります。必要に応じてリスクアセスメントを行うなど安全対策を充分に行う必要があります。
会社の安全衛生管理に積極的にかかわってくれる産業医を選任することにはじまり、社員の健康維持、向上についても現状を上回る施策が必要です。

労働基準監督署の是正勧告、ヒアリングへの対応

 労働基準監督署にはそれぞれの管轄地域があります。そして、その管轄地域において従業員数が多い事業所には調査が入る可能性が高いです。
調査では、主に労働基準法や労働安全衛生法に違反していないかを確認します。また、有機溶剤を使用している工場が調査の対象になることも多いです。
その他、製造業では、パートタイマーやアルバイトなどの短時間労働者を雇用している事が多いので、年金事務所の調査が入る可能性もあります。
(週30時間以上、働いている短時間労働者がきちんと社会保険に加入しているか、などを中心に調査する。)

そして残念ながら「内部告発」というケースも散見されます。(離職者だけではなく、在籍者が内部告発するケースもあります。)

 従って、いつ調査が入っても問題がないように、日常からのコンプライアンスが他の業界以上に必要となってきます。また、「内部告発」を防止するために、外部に「公益通報窓口」「ハラスメント窓口」などを設けて、行政や第三者に相談がなされる前に自社で解決するという自浄作用を働かせることも大切です。


セクハラ、マタハラ、パワハラなどハラスメント予防、研修実施

 3大ハラスメントである「セクハラ」「マタハラ」「パワハラ」は、世間での認知度が高まるにつれ、益々、トラブル件数が増えています。
 現在パワハラには法的根拠が無いのですが、これに法的根拠を設ける、という議論が進んでいます。

 製造業では従業員の男性比率が高い傾向があり、パワハラが発生するケースが見られます。(もちろん、セクハラ、マタハラも発生しないように目配りをして下さい。)
 また、LGBTへの対応もそろそろ本格的に取り組む必要があります。

 ハラスメントによるトラブルがもつれて訴訟に発展するなど、外部に事態が広がるのは極力、避けたいところです。
当所でも、ハラスメント全般について外部相談窓口の対応(男性、女性それぞれの社会保険労務士有資格者が対応)をしていますが、弁護士・社会保険労務士など外部の専門家による外部相談窓口を設けるのも有効です。

 なお、相談窓口は「相談案件が無かったから機能していない」という判断ではありません。相談窓口がある、という事でハラスメント発生に対する抑止力となり、また「何かあったら相談していいんだ」という安心感を持ってもらえるので、たとえ、相談が無くても開設しているだけで意味があります。

毎月定例で開かれる人事・労務に関する会議へのオブザーバー参加

 人事関連のトラブルだけではなく、労働基準法やパートタイム労働法など各種の法改正への対応、健康管理を目的とした従業員の就業時間の確認、工場など現場の安全対策、就業規則の改定、インターバル勤務など新たな人事施策の検討など人事総務で話し合うべき課題は数多くあります。

 当所では代表の田中が月に1回、貴社の人事総務の定例会議に参加して、2時間程度の集中討議で山積する問題・課題に助言をさせて頂いております。
 次々と出てくる課題・問題の解決に向けて、強力なエンジンとして機能します。

製造業全般

育児支援制度、病気との両立支援制度などの施策

ワーク・ライフ・バランス、育児介護と仕事の両立 と、従業員の生活にも目配りが求められています。

 育児・介護への取り組みが進んだら、次の課題は「病気治療と仕事の両立」です。従業員の高齢化により病気に罹患する人は増えます。また、医療技術の進歩により、がんによる生存率も高まるなど、従来は入院や自宅療養が必要な人も、服薬しながら仕事ができるようになってきました。
 
 2019年4月以降は労働安全衛生法の改正により、「産業医と産業保健機能の強化」が義務付けられます。
衛生委員会が中心となり、産業医にアドバイスを受けながら、施策を進めていく必要があります。

 今後は「従業員の健康管理」も企業責任の一つとして、存在感を増してきていくと思われます。

パート従業員を含めた有給休暇年5日の計画付与

 働き方改革の一つとして、2019年4月から労働基準法の改正により、1年間に10日以上の有給休暇が付与される従業員には、5日以上の有給休暇の取得が義務付けられます。
 そして、社員だけではなく
、「週4日勤務で勤続年数3.5年以上」と「週3日勤務で勤続年数6.5年以上」のパートタイマー・アルバイトも対象となります。

 そのため、まずはパート・アルバイトで2019年4月1日時点で有給休暇が10日以上付与される人を抽出します。
 続いて10日以上の有休が付与されている従業員の直近の年での有休取得日数を出してみます。このうち、5日以上の取得実績がある従業員は、おそらく新年度も5日以上の取得があると予想されます。一方、問題は有休取得日数が5日未満の従業員です。

 まずは自分で有休を申請するように奨めて下さい。その後、四半期などの区切りで有休取得日数を確認して、あまり取得が進んでいないようであれば、取得を奨励して、その上でも有休の取得日数が5日に届かないようであれば、会社から「この日に有休をとるように。」と日時の指定をさざるを得ません。

従業員からのハラスメント、公益通報の連絡窓口

 3大ハラスメントである「セクハラ」「マタハラ」「パワハラ」は、世間での認知度が高まるにつれ、益々、トラブル件数が増えています。
 現在パワハラには法的根拠が無いのですが、これに法的根拠を設ける、という議論が進んでいます。
 また、LGBTへの対応もそろそろ本格的に取り組む必要があります。

 ハラスメントによるトラブルがもつれて訴訟に発展するなど、外部に事態が広がるのは極力、避けたいところです。
当所でも、ハラスメント全般について外部相談窓口の対応(男性、女性それぞれの社会保険労務士有資格者が対応)をしていますが、弁護士・社会保険労務士など外部の専門家に依頼することをお奨めします。

 なお、相談窓口は「相談案件が無かったから機能していない」という判断ではありません。相談窓口がある、という事でハラスメント発生に対する抑止力となり、また「何かあったら相談していいんだ」という安心感を持ってもらえるので、たとえ、相談が無くても開設しているだけで意味があります。

変形労働時間制の導入などによる時間外労働の削減

 製造業では、1年または1ヶ月を通じて、業務に繁閑の差があることも多いです。忙しい時期には就業時間を長くして、比較的、業務に余裕のある期間は就業時間を短くして、早めに帰ってもらうということができるのが「1年単位の変形労働時間制」です。忙しい時期は土曜日も含めて週6日、そうでない期間は週4日などの柔軟な働き方にすることができ、また、年間の残業時間も身近kすることが可能です。

勤務間インターバル制度導入による従業員の健康への配慮

これも働き方改革の一つです。2019年4月から努力義務となりますが、今でも導入することはできます。

 推奨されるインターバル時間は11時間ですが、睡眠時間を6時間確保することを前提としています。従って、ダイレクトに「睡眠時間を6時間とする。」とか
「在宅時間を9時間とする。」などの労使協定を結ぶケースもあります。

 また、通勤時間の長短を加味するとより望ましいです。実務上の要請というよりも、新卒採用の際のPRポイントの一つとして導入することも考えられます。

労災予防のためのリスクアセスメント

 今後は65歳までの雇用確保が会社に義務付けられており、定年後の嘱託社員等の高年齢者が店舗でも増えていくと思われます。中高年齢者は若年者に比べて、労災事故の発生率も高く、休業期間が長引く傾向もあります。

 従業員に安心して働いてもらうためにも、労災事故0件を目指すことは重要です。
エネルギーが必要ではありますが、リスクアセスメントを行うことが望ましいです。

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